改めて

2013年10月27日

アブラハム・プライベートバンク株式会社に対する行政処分について

平成25年10月11日
関 東 財 務 局 

 

アブラハム・プライベートバンク株式会社に対する行政処分について

 

1.アブラハム・プライベートバンク株式会社(以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の法令違反行為が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われました。(平成25年10月3日付)
 
 当社は、投資助言・代理業の登録を受けている金融商品取引業者である。当社は、当社と投資顧問契約を締結している顧客に対する投資助言として、当該顧客の投資意向等を踏まえて、中立・客観的な立場から、外国投資法人が発行する外国投資証券及び外国で発行される集団投資スキーム持分(以下、これらを総称して「海外ファンド」という。)に係る個別の商品内容の説明を行うとともに、海外ファンドの取得を希望する顧客に対して、取得申込書の送付などの取得申込手続のサポートを行っていると主張している。
 また、当社は、雑誌、テレビ、電車の車内及びインターネット等において自社広告を展開することにより、近時、急速に顧客数を増加させている。
 当社の業務の実態及び広告の適切性を検証したところ、以下のとおり、法令違反の事実が認められた。
 
(1)無登録で海外ファンドの募集又は私募の取扱いを行っている状況
 当社は、以下のとおり、遅くとも平成22年8月から同25年5月末までの間、海外ファンドの募集又は私募の取扱いを行い、少なくとも、2,792顧客が海外ファンドを2,892件取得している状況が認められた。
 具体的には、当社は、当社と投資顧問契約を締結している顧客に対し、当社が顧客に取得を勧める個別の海外ファンドの資料を提示した上で、その商品内容、コスト、メリット、リスク等の説明及び取得申込書の送付を行うことにより、取得契約を成立させている。
 他方、顧客による海外ファンドの取得に関しては、その大部分について、当社の取締役が自ら株主となって国外に設立したSagacious Trend International Co.,Ltd.(以下「STI」という。)が、海外ファンドの発行者、又は海外ファンドの発行者から委託を受けている運用会社との間の委託契約に基づき、当社顧客による海外ファンドの購入額に応じた報酬を受領しているとともに、STIが報酬を受領する都度、当社の100%親会社であるアブラハム・グループ・ホールディングス株式会社(以下「AGH」という。)において、当該報酬と同額の債権がSTIに対して計上されている。
 当社は、AGHと役員及び事務所を同じくし、当社社員は全てAGHからの出向者であるとともに、AGHへ管理業務全般を業務委託している。STIについても、当社の取締役が自ら株主として設立した法人であるとともに、当社及びAGHが業務上の意思決定を行い、契約書におけるSTIの住所及び電話番号が当社と同一であること等から、3社は当社の業務に関し実質的に一体であると認められる。
 よって、3社は、実質的に一体となって、海外ファンドの商品内容の説明・取得申込手続のサポートを顧客に行うことにより、海外ファンドの取得契約を成立させ、顧客の海外ファンドの購入額に応じた報酬を受領しており、このような行為は、発行者のために募集又は私募を取り扱う行為と認められる。
 したがって、当社の行為は、金融商品取引法第28条第1項に規定する第一種金融商品取引業又は同条第2項に規定する第二種金融商品取引業(同法第2条第8項第9号に掲げる「有価証券の募集又は私募の取扱い」を業として行うこと)に該当するものであり、当社が同法第31条第4項に基づく変更登録を受けることなく第一種金融商品取引業及び第二種金融商品取引業を行うことは、同法第29条に違反するものと認められる。
 
(2)著しく事実に相違する表示又は著しく人を誤認させるような表示のある広告をする行為
 当社は、上述のとおり、様々な媒体を通じて広告を実施しているところ、これらの広告について以下のような問題のある表示が認められた。
 
 ア 当社は、雑誌記事広告において、当社の提供する助言サービスである「いつかはゆかし」並びに国内証券会社及び国内投信会社が販売する積立商品の合計6商品を「国内外の主要積立商品比較(過去5年間の年平均利回り)」との表題の下、グラフにより比較し、6商品の中で「いつかはゆかし」が15.34%と、最も高い平均利回りを上げていると記載している。
 しかしながら、過去5年間の年平均利回りとして15.34%というパフォーマンスを上げていた投資商品は、当社顧客が投資対象を選択するに当たり選択肢となり得る投資商品の一つではあるものの、当社は、当該投資商品の取得を顧客に助言したことはなく、顧客が当社の助言を受けて当該投資商品を取得した事実もない。
 
 イ 当社は、自社ウェブサイトにおいて、「類似の資産運用サービスと比較した場合、アブラハム・プライベートバンク株式会社の手数料は、業界最安値でございます。」と記載し、併せて、当社の調査に基づき作成した比較資料をその根拠として掲載している。
 しかしながら、当社は、他社のサービスとの手数料比較に際して、当社の助言手数料を下回るサービスが存在することを認識しながら、あえて当該サービスを比較対象に含めず、それ以外の事業者との間でのみ手数料を比較している。
 
 ウ 当社は、自社ウェブサイトにおいて、「金融機関や運用会社から販売手数料等はもらっていません。」と記載している。
 しかしながら、当社及びAGHは、上記(1)のとおり、STIを通じる等して、特定の海外ファンドの発行者又は運用会社から、当社顧客による海外ファンドの購入額に応じた報酬を受領している。
 
 当社が行った上記ア、イ及びウの行為は、広告等において、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をする行為であり、金融商品取引法第37条第2項に違反するものと認められる。
 
(3)顧客の利益に追加するため財産上の利益を提供する行為
 当社は、平成23年3月、投資顧問契約を締結した顧客から、過去実績から想定された投資実績に遠く及ばない等の理由で、当社が請求した助言報酬の免除等の依頼を受けた。
 これを受け、当社は、当該顧客に対し、平成21年10月から同23年9月までの2年分に相当する助言報酬計9,397,882円を全額免除した。
 当社が行った上記の行為は、金融商品取引法第41条の2第5号に掲げる「その助言を受けた取引により生じた顧客の利益に追加するため、当該顧客に対し、財産上の利益を提供すること」に該当し、同条に違反するものと認められる。
 
2.以上のことから、本日、当社に対し、下記(1)については金融商品取引法第52条第1項の規定に基づき、下記(2)については同法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行いました。

 
(1)業務停止命令
  金融商品取引業の全ての業務を平成25年10月11日から平成26年4月10日まで停止すること(ただし、顧客との投資顧問契約の解約業務を除く。)。
 
(2)業務改善命令
 1) 当社が関与した全てのファンドについて、取扱い状況(顧客属性、ファンド名、投資金額及び現在の評価額)を至急把握し報告すること。
 2) 本件についての適切な顧客説明、顧客への適切な対応など投資者保護のために万全の措置を講じること。
 3) 無登録金融商品取引業務を直ちに停止し、適切な再発防止策を講じること。
 4) 金融商品取引業務(投資助言業務)を適切に行うための経営管理態勢、業務運営態勢及び法令等遵守態勢を整備すること。
 5) 広告審査に係る内部管理態勢を整備すること。
 6) 本件行為の責任の所在の明確化を図ること。
 7) 上記1)から6)について、1ヶ月以内に書面で報告すること。

 

 

 

 



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鈴木正浩
すずきまさひろ

1961年5月5日生まれ

早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際経営学(MBA)修了。千葉県匝瑳(そうさ)市出身。
29歳で地元千葉において、不動産仲介会社を創業。現在は、アパート管理件数はダントツの2000戸を数える。
2009年12月、独自のノウハウを詰め込まれた著書、「25年間アパートの利回りが下がらない<<超裏技>>不動産投資術」を出版

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