獅子身中の虫
春の統一地方選挙が終った
私の地元は 土着性の強い 千葉の田舎町
選挙で審判、民意 とは 聞こえはいいが
田舎の選挙は
思想信条、政党よりも
先輩後輩知人隣人といった
人間関係のつながりの方が勝る
魑魅魍魎(ちみもうりょう)
獅子身中の虫(しししんちゅうのむし)
韓信の股くぐり(かんしんのまたくぐり)
などという 言葉は
学校で教えてもらったわけでなく
幾度かの選挙を通じて 学んだ言葉である
それにしても 選挙で民意をと 聞こえがいいが
選対でやってるものとしては
勝っても負けても しこりが残り
人間関係が 複雑化する
ところが 面白いことに
幾度かと選挙を重ねていくと
敵の敵は味方
昨日の敵は今日の友となる場合もある
今まで いがみあっていた
敵対していたものが
幾度かの選挙を通じて
新たな人間関係が 生まれたりする
しかし そうはいっても 狭い田舎町
スポーツとは 違い
終了ホイッスルと同時に
ノーサイドとは はならない
時に
末代まで その怨み
つらみが 引き継がれてい場合もあれば
いくさを 乗り越えた 戦友として
真の絆も生まれることもある
私も選挙に携わり 20年
まさかの 裏切り 寝返りが
横行する 政治の世界
人間不信に陥るときもあるが
そうした 人たちの心理も達観できる年齢になり
最後はいつも この言葉を 心の中で 繰り返す
天網恢恢疎にして漏らさず
この言葉だけは 裏切ることなく
私の精神安定剤となっている