私を病院に連れてって
ここ数年 正月休みを利用して
近所に住む 某新聞社のT部長家族と
スキーに出かける
子供と二人だけの旅行だったら
いくらでもいいが
普段 妻と会話慣れしていないので
ホテルの部屋で何を話していいのかわからず
家族旅行には いつもT部長を巻き込むことにしている
聞けば
T部長も同じ考えであったことが判明し
両者 思惑が一致
おそらく
お互いの妻同士も 同じ考えであろうが
ここは 聞かないでおくのが一番いい
スキーは子供が中心で
「スキーを上手にする」目的があるので
時間もあっという間に 過ぎてしまう
私もT部長も 気分は
「私をスキーに連れてって」
三上博史と原田知世の出会いの期待して
スキー場には来るものの
私とT 部長は 52歳で同じ歳
自覚はないが
一般的には初老を迎えた 年代になり
可愛い子など 探しているどころではなく
というか相手にしてもらえるはずもなく
そんな不純な考えをしていた 罰が 下った
初日 T部長が
リフトを降りて すぐに転び
ここは
決して 転んではいけないところだが(笑)
左足 ふくらはぎ 肉離れを起こして 無念のリタイア
「どうせ 肉離れ起こすなら
滑ってころんだほうがまだよかった」とT部長の弁
二日目は 私の番である
リフト券を買ったばかりの 一回目の滑走で
娘の滑りを後ろから見ていた私のところに
小学生の女の子が
ボーゲンのまま 後ろから 突っ込まれた
前のめりに倒れた私の右足から
ゴムが切れる音が・・・・
完璧な肉離れ
切れた肉の陥没がわかるくらい
大きく腫れ上がり
そのまま ホテルの部屋へ直行
スキー靴を脱ぐのも 大変である
やっとの思いで たどり着いた部屋
前日から 歩けず 部屋で待機中の
T部長がいて
私の姿を見るなり 大笑い
あとは ご想像通りであり
バス、新幹線と
大男が
二人して 足を引きずり 歩く光景は
なんとも様にならない
東京駅つくなり そのまま
整骨院へ 二人して 直行
両者 グルグル巻きの包帯で梱包され
とんだ 正月休みが 終わった