幽霊が出た!~シャレにならないお化け事件~①
20年近い不動産人生の中で、忘れられない悲惨なエピソードがある。
そろそろブログにも慣れてきたので、不動産爆笑エピソードでもと思っていたが、その前に悲惨なエピソードをご紹介する。
今から9年位前の話だ。
私は、幸せに満ちた新婚さんのアパートをお世話する機会を得た。
賃貸借契約も無事に終わり、腕を組みながら帰る光景は、本当に幸せな二人だった。
しかし、その二日後、事件は起きた。
事務所をオープンしたと同時に、60過ぎのおじさんが血相を変えて飛び込んできた。
「お前ら!、幽霊の出るアパートを紹介しやがって」と大激怒!
「契約違反だ、すぐに金を返せ」と息巻いている。
最初は、誰だかわからなかったが、聞けば、あの新婚さんの奥さんの父親だった。
普段は茨城に住んでいるが、文句を言うためにわざわざ千葉までやってきたそうだ。
「お前ら!火の玉が出たんだぞ、火の玉」とすごい形相だ。
「とにかく、契約解除だ」
「こんな呪われたアパートを紹介したお前ら!、いいか、もし契約金を返金しなかったら訴えるからな!」
お前ら、お前らと、もうこのオヤジは止まらない。
よくよく聞けば、奥さまは、入居したアパートで「火の玉」を見て気絶をしてしまい、それから精神的におかしくなって、茨城の実家に帰ってしまったとのことであった。
この「火の玉」が出現した日、あいにく御主人が夜勤でいない日だったそうだ。
真夜中に一人で寝ていた奥さまは、部屋の窓に小石がぶつかる音がしたので、カーテンを開けて外を見た。その時、目の前に、「火の玉」が浮かんでいて、そのまま朝まで気絶してしまったらしい。
部屋は2階の真ん中にあったにもかかわらず、他の住人からはクレームはない。
なんか、おかしいぞ。
でもアパート管理をしている以上、原因追究のために仕方なく一晩中現場に張り込んだ。
今思えば、本当に馬鹿馬鹿しいが、朝5時ころまでアパートの前で、「火の玉」を待っていた。
当然ながら、一人では怖いので、もう一人社員もつきあってもらったが・・。
早く出ろ「火の玉」よ!
結局、「火の玉」はあらわれなかった。
そして、間もなくして
とんだ騒動が勃発してしまった。
(次回に続く)