「絆」 名人相馬謙一 その3
かしこい大家さん こんにちは
3回にわたり 書いてきました
そう馬 の ラストです
改めて ここ そう馬がある場所
千葉県香取市(佐原市)は
北総の小江戸といわれ、
街には
昔の建物がそんまま現存している
特に
街の中心を流れる小野川沿いを歩けば
まさに江戸時代にタイムスリップしたかのような
錯覚になる
6月のあやめ
7月、10月の 大祭では
豪華な山車が数多く並び
小江戸の風情ある街並みを
豪華な山車が 引き回される
そんな
古き風情のある街だからこそ
「そう馬」の存在意義があるのだろう
さて、松葉ガニも
いよいよ メインへと移り
大将、若大将が
面倒な身やミソを丁寧にほどき
お皿に移し替えていく
軽く塩を振るのもよいが
本来は そのまま 食べるが一番
うるさい男衆の 沈黙が続く
私も こんな美味い カニは 初めてだ!!
と心から叫びたかったが、
このお店では
「美味い」とう表現を
軽々しく言えない雰囲気も漂う
実は 昨日のブログにも書いた
フグ刺し
私は あまりの美味しさに
あっという間に 一皿 食べつくした
しかし その様子をみた大将が
「鈴木さんは 食べんのが早いんだよ!」と怒られ
私が
「いや 大将 ふぐが美味しすぎて ついつい・・」と言った瞬間
名人の口からは
「フグ刺しだけは ゆっくり 食べてください」と
意味深い ご忠告が・・・
下記写真は
生で食べるのを
あえて
焼いていく
焼きあがった カニの甲羅とその身
まるで
グラタンのような 感しだが
その味は お察しの通り
さらに 名人から
本当においしいところは
カニの甲羅にある
誰もが振り向かない甲羅の上部
ちょうど頭の部分を
手前に折りまげ
折り曲げたわずかにつまっている身とミソを
口から 吸いこんで 食べてくださいと
その通りに食べたら 濃縮されたミソが そこにあり
誰も気がつかない 食べ方を学んだ
ボイルしたもの
たっぷり 身が入った ツメ
軽く 焼いた身
さて、
最後のしめは
ご覧の かに飯
食べつくしたカニも
そのガラ
一つたりとも無駄にはしない
ガラにも まだまだ
たっぷりと
うまみが残っているそうだ
ガラでとった だし汁によって
白米の色が
黄金色にかわっている
最初の 1杯め
なんだ 大将 ずいぶん すくねぇと 言いたかったが
ここは おしゃれに ゆっくりと
かみしめながら 食べていく
カニということもあるであろうが
ほとんど 会話らしい 会話もなく
3時間半があっという間に 過ぎた
名人 相馬謙一がおしえてくれたもの
黙して語らず
食べて知れ!!
名人が板場にたつ その後ろには
かならず 「絆」の文字が掲げられている
相馬の料理に欠かせないソース
素材以上に
心の友 同じ目的を持った同志、愛する家族の存在こそが
一番大事であるのだ と教えてくれている
安心して 信頼し、尊敬しあえる仲間と食べる
すべてのおいしい料理の原点は これである
ダイヤモンドはダイヤでしか磨かれない
同時に 人は人でしか 磨かれない
そんな 言葉が思い出された 一日だった