アパートのネーミング
アパートを建てると
そのネーミングでいつも悩む
私の所有物件の中で
全く 何も 考えずにつけた
Mハウスという貸家
イニシャルから
何のひねりもなく
1秒で考えついた名前だが
いまだ 入居率は抜群だ
娘が生まれた年に
勢いで建てたアパート4棟
ディアドーター1.2、3,4
この名前は管理会社が名付けてくれた
何だか 芦屋雁之助の「娘よ」を思い出す
私の友人が
グランデフェスタという結婚式場をやっていた
私もそこで結婚式をあげたわけだが
その後
諸事情で閉店となり
その名前を残そうということで
つけたのが
マリン・フェスタ1.2
リッツ・フェスタ
ファンタジスタ
千葉県銚子市で 4棟
いまでも フェスタ・アパートが存在する
その昔
六本木の芋洗坂(いもあらいざか)あたりにあった
コリンズビルCOLLINS
禿げ上がる前のジェネシス時代の
フィル・コリンズが好きだった
コリンズと 響きもよく
早速 千葉のド田舎に
コリンズ1.2と名を付けたビルがある
いつも 私を応援してくれる
最初の本を出版した時からのお付き合いだ
そんな満タン大家さんさんへ敬意を表す意味で
先日 引き渡しを受けたアパート名に
アベはいない けど 「あべが居る」=アベイル
という名前をつけさせてもらった
20年前 住宅を建てようと
私のところで 土地を買ってくれたAさん
土地を引き渡した1か月後、
子供が生まれたばかりで幸せの絶頂期に突然死
奥様と子供は その後地方の実家に戻った
奥様より
「土地は売る気がないので鈴木さんで使ってほしい」
と依頼され
それ以来 私は地代を支払い
その土地にアパートを建てさせていただいた
それから 20年がたち
生まれた子供は二十歳になった
土地賃貸借契約書には
子供が二十歳になったら土地を更地にして返します
という約束を明記
先日 奥様へ連絡して
「土地をお返しします」と言ったら
「ずっと使っててください」とのことだ
新築する家の設計図までできていながら
生まれたばかりの子供の成長を見届けることなく
他界してしまったご主人の無念
私は このアパートにケントハウスと名づけた
もちろん 子供の名前だ
いまでは 180センチのでっかい息子へと成長し
いまだに 続く 深いご縁を大切にしている
こうしたアパートのネーミングにも
子供の命名と同じように
いろいろな思いが詰まっている時がある
そういえば
先日竣工した 6世帯のアパートに
レイニー・アプローズとつけた
ご存知 3歳未勝利のどうしようもない馬から
つけた名前である
すでに各方面から
縁起が悪いから 変えたほうがいい動きもあったが
予想に反して 満室が続いている
馬の走りも
アパートのような勢いになってほしいと
切に願うばかりだ