和食の神様 現代の名工 相馬謙一
このブログでは 2度目の紹介だ
日本料理 懐石 そう馬
私は 今日までいろんな料理を食べてきたが
「和食」では
ここの主
相馬謙一が日本一の料理人と思っている
四季折々 旬な食材をチョイス
関東あたりでは
めったには口にできない食材で
客に勝負を挑んでくる
その料理の完成度は
現代の名工にも選ばれ
今も 板場に立ちながら
うるさい男たちを 黙らせる
相馬の食材へのこだわりは
半端じゃない
いつ どんな時期に 食べるとおいしいか
魚の種類ごとに
しめてから 何時間後(何日後)に客に出すのがおいしいか
すべてを計算しながら
正確には 逆算しながら 料理をつくる
例えば 2月の今だからこそ
金沢の「ひめぶり」を取り寄せる
この時期は
しけで船が出ないことを計算に入れながら
あらかじめ 注文をしておく
今回は 本当にしけになり
あちこちの港へ電話しまくり
取り寄せたようだ
この時期の「金沢のぶり」の選択には
ぶりの「卵」を食べてもらう狙いがあるようだ
相馬 いわく
この2週間以内でないと
おいしいぶりの卵が食べられない と断言する
つづいて
琵琶湖から取り寄せた 魚
地元しか食べられない食材を 関東で食べられる
幸せな時間が間もなくはじまる
千葉県香取市(旧佐原市)に
その店は存在する
若大将とおかみさんが登場
いよいよ 始まる
ぶりはぶりでも 「ひめぶり」
金沢産 13キロものだ
ご存知 神様 相馬謙一
板場に 大将が登場し
一同
カウンターを貸し切る男衆は いっきに寡黙になる
つけだし
「ホタルイカのしおから」
そして「なまこのゆず(おに)おろし」
早々と ビールはあがりにして
冷酒の吟醸を注文した (結局5合飲んだ)
「シロバイ貝」
バイ貝ともいわれる
ほとんど関東では手に入らない 高級貝
金沢で2週間待ち続けて この日にあわせてくれた
貝の味は たいへん表現しにくいが
あえて
お芋を食べている??と言っておこう
やわらかくて これは貝?って思う食感である
まったく 表現ができずに申し訳ない
うまいのもはうまいんだ
シロバイ貝の奥につまった キモをとるために
若大将に 貝殻を割って 取り出してもらっている
「なかなか キモが取りにくい」
うるさい男衆のリクエストに対して
「キモを無理やりとりにいくのではなく 貝をまわすとすぐにとれる」と
若大将が言ったセリフに
隣にいた カレー王子先輩が
かすかに 反応を示した
私と同時にスケベな事を考えたようだが
いわんとしていることは よく わかったので
お互いここは無視した
貝を逆回しでとったキモ
一口でパクリ
琵琶湖の稚あゆ
通称 氷魚 ひうおともいう
琵琶湖でしか とれない 珍品
本日のメインの「ひめぶり」を拝見
ぶりの刺身
見た目は あっさりしているように見えるが
脂がバッチリと のっている
なので ポン酢も用意される
ぶりの卵
これは おそらく 一生に一度 ありつけるかどうか
ぶりの卵は さきほども述べたが
この時期の日本海でないと ダメで
これを過ぎると もう食べられない状態になってしまうそうだ
「もろこ」の網焼き
もろこは 琵琶湖産
普通は(中国産)
頭 しっぱは堅くて食べられないが
この時期の琵琶湖のもろこは 頭から食べられる
さて メインのぶりしゃぶ
珍しい 赤エノキと
九条ネギをおともに
火にかけ いっきにしゃぶる
赤身にしかみえない ぶりからでる
アブラに驚かされる
いや~うまい!!
下記 写真は 春野菜の うるい
タラの芽てんぷら
もうじき 春ですね
最後の締めにと
なんと 「赤貝」と「うるい」を混ぜた「ぬた」が登場
そうきたか!!
肝心なぬたは
酔っぱらいすぎて写真どりを忘れる
プロの職人があこがれる 名工 相馬謙一
腕一本 包丁一本でここまで上り詰めた
神様は
一切おごることなく
逆に腕が鈍るということで
月に一度 10名の男衆を集めて
カウンター貸し切りの相馬会が開催されている
今夜は
欠員が出たため 末席にすわらせてもらった
ものすごい ラッキーである
あえて
今日の一品をあげるとしたら
やはり ぶりの卵
いや シロバイ貝か
大変迷うところだ
奥に 見える
絆
の文字のごとく
大将と客との真剣勝負が終わり
あがりのお茶を飲みながら
今日の料理の話題となる
よく よく みると 本当に珍しい光景である
50をすぎた男たちが静かに並んで座っている
女の話題、仕事の話をすることなく
ずっと 寡黙に もくもくと料理を食べ続ける
たまの笑い声も その料理に負けてしまうようで
次の料理が出る頃は また黙ってしまう
色紙にかいてある 絆 のごとく
月に一度の相馬の料理を通して
小江戸佐原の伝統を守って行く男たちの絆を
感じた次第だ